ツイッターをご覧の方にはすでにバレているかと思いますが
今、お姉ちゃんの家にはカラスのお子さんがいらっさいます。
「あぁお姉ちゃん・・・ついにカラスまで・・・」という声が聞こえますね・・・(笑)
今日はちょっと長くなりますが、カラスのことを書きます

ご紹介します。
ハシボソガラスのボーちゃんです
「は、は、はじめまちて。ボーでしゅ。」
はい、良く出来ました

カラスって、嫌いな方が多いのではないでしょうか。
「黒くて怖い。」
「ゴミをあさる。」
「人を襲う。」
嫌う理由は色々あると思います。
お姉ちゃんだって、怖い思いをしたことがあります。
基本的に鳥さんが好きですけどね、
目に入れても痛くない程、頬ずりしちゃいたい程カラスが大好き!なわけでもないんですよ。
でもね、カラスって一番身近な野生動物だと思うんです。
この動物と共存出来ずに、一体何と共存できるのか!と思っているんです。
「きょーぞんって・・おいちぃ?」
かわええのぅボーちゃんや

(結局頬ずりしたいほど可愛い。笑)
うちの近所の公園で、ハシボソさんのご夫婦が子育てをしていたのですが
早くに巣から飛び出してしまった子がいました。(ボーちゃんじゃないよ。)
巣立ちの時期にはちょっと早かったようですが
親がしっかりと守っていたので、見守っていました。
その際、どう見守るのがいいのか、どう関わるのがいいのか、
NPO法人札幌カラス研究会の代表の中村さんにアドバイスを頂きました。
ヒナの近くを人が通れば、親が威嚇をします。
と言っても、ハシボソガラスはガァガァ大きな声で鳴くだけで攻撃はしないんです。
だけど、「ヒナを捕獲してくれ」と行政に通報が入ります。
実際、その子が入り込んだ民家や工場から通報が入りました。
行政が業者に連絡をして、捕獲されることになったら
ヒナはどうなると思いますか?
山や森に捨てられ、キツネなどのエサになるのだそうです。
お姉ちゃんはそんなこと、中村さんに教えてもらうまで考えたこともありませんでした。
というか、通報する人がいることすら考えてなかった。
野生動物ですから、弱肉強食の世界。
もちろん捕食されることを「かわいそう」なんて言うつもりは全くありません。
お姉ちゃんは野生動物に人が手を出した時点で
野生ではなくなってしまうのではないかと思うんです。
クマやキツネに餌をやる行為も、彼らから野生を奪う行為だと思っています。
カラスもそう。
人がわざわざ捕まえて、山に捨て、何かに食べられるというのは
「自然」なことじゃない。
「カラスのヒナを捨てる行為は人がキツネやアライグマに餌付けしていることになる」と中村さんはおっしゃいます。
それって、ものすごく問題だと思いませんか。
「食べごろでしゅよ。」
なわけあるか!

だから、通報する人が近所にいたら、ヒナを捕獲して
公園に戻すことにしたんです。
それが出来るように、札幌市に申請し捕獲許可をもらえるようにしてくれました。
最初に飛び出した1羽の後、兄弟たちも巣立ちの練習を始めました。
何度か公園に戻し、見守り続けたある日の朝、
マイちゃんとお嬢ちゃんとお散歩がてら、
公園から出たヒナがどこにいるか確認に行くと
親が大騒ぎしている。
何かあったなと思い近づくと、民家の庭で長い竹竿を振り回すオッサン。
ヒナに当たったら大変!と思って
「おじさん!カラスのヒナがいるの?」と聞くと
オッサンは足元を指差しました。
そこには見守っていた子の1羽が仰向けにひっくり返っていました。
叩いたの?と聞いても「叩いてない」と答えます。
本当のことは分からない。
車にぶつかって弱っていたのかもしれない。
オッサンに「これはハシボソガラスだから、騒ぐけどほとんど攻撃はしてこないんだよ」と伝えてヒナを抱えて
公園に連れて行きました。
親は大事な子をお姉ちゃんに誘拐されたと大騒ぎ。
それでも一度も攻撃はされていません。
公園に放すと、見ていた別なジィさんが
「カラスなんて助けるもんじゃない!悪いことをする生き物なんだから、いなくなった方がいいんだ!子供が襲われてケガをする。人間が一番大事なんだから!見せしめに殺して吊るしておけば悪いことしなくなるから!」と怒りました。
なんだかもう悲しくなってしまった。
たった1家族のカラスに、この敵の数。
いつからこの世界は人間のものになったんだろうか。
結局、夕方まで様子を見たけれど、伏せたまま動かない。
中村さんに来てもらい、どうしたら良いのか見てもらいました。
歩くことはできたけど、足の握力が弱く、痩せていて弱っている様子。
このまま自然に任せるのが良いのか、保護するのが良いのか、悩みました。
カラスって、どんなに弱っていても決して子供を見捨てないんだそうです。
実際その子の兄妹は1羽死んでいるのですが
その亡骸を一生懸命動かそうとしている親を見ました。
ずっとそのヒナを守ろうとする= その間、人間を威嚇する=カラスのイメージが悪くなる=来年以降の巣作りにも影響する
と聞いて、親には別な兄弟ヒナに専念してもらい、その弱ったヒナを保護することにしたんです。
見せしめに殺せと言うジィさんも毎日来るし。
現在その子は元気になり、「カラス好き好き大好き男」の元で飛ぶ練習をしています。
少しずつ飛べるようになっているのだそうで、
8月に野生に戻す予定です。
これが今回、カラスに関わることになった経緯。
え?ボーちゃんの話じゃなかったの??って思いました?笑
ボーちゃんは、その後中村さんから保護依頼があって我が家にやって来たんです。
まだ巣立ちには全然早かったのに、巣から落ちてしまったようです。
くちばしが曲がり、左足の握力がありません。
野生に戻すべきか、人の元で暮らすべきか、中村さんに相談し
里親さんを探すことになりました。
なんと、すぐに見つかって7月にはお引っ越しの予定。
「おかーしゃん!ごーはーんー!」
元気に成長中

里親さんが決まっているのだから、いくら人慣れさせても良いのだ!と甘やかし放題。笑
今の時期は、カラスの子育て真っ最中。
ハシブトガラス(くちばしが太くて大きい方)の襲撃を受けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(お姉ちゃんもですが。笑)
特にお子さんの通学路に巣があると心配ですよね。
先日公園で石を投げたりカラスがいる木を揺らしたりしているオッサンがいました。
カラスにケンカを売っているようなもんですね。
(もちろんやめてもらいました。)
子供を守っているんです。そんなことをすれば、尚更威嚇が激しくなります。
巣の撤去をしてもカラスはいなくならないそうです。
それどころか次の巣作りの時に威嚇が激しくなったりするんだそうです。
1年中続くわけじゃない。1年にたった1度の子育て。
好きになってほしいとは言いません。
ヒナが巣立つまでの少しの間、違うルートを通るくらいの余裕を持ちませんか。
突然襲われたら、慌てずに両手をまっすぐ上に伸ばして下さい。
カラスは手の上を飛ばなければならなくなるので頭を狙われません。
(決して走ってはいけないそうですよ)
カラスの攻撃から身を守る方法は
巣を撤去することや行政に通報することではなく、
正しい知識を持つことだと
今回の件で学びました。
カラスにとって、この世がどれだけ生きにくい世界かということも。
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カラスが嫌いな方にこそ、知ってほしいです。
NPO法人札幌カラス研究会